2020/10/26作成、2021/4/4更新
ワラーチ。出典:mexico-market.net/archives/576 |
2020年10月25日、マラソンのイベントに出た。以前にもマラソン大会には何度か出たが、今回はうすっぺらいサンダルで出場した初めての大会だった。走り始めたときは、普通にランニングシューズを使っていたが、次第にサンダルランニング、はだしランニングに興味が移っていった。その経緯について書いてみようと思う。
サンダルランニングに興味を持ったのは2017年のこと。見知らぬアマチュアランナーのブログやSNSをみているうちに、うすっぺらい簡易なサンダル(ランナーの間ではワラーチと呼ばれる)で走っている人がいることに気づいた。材料を買って自分で工作するらしい。その工作の様子をブログで紹介している人がけっこういた。
調べていくうちに、メキシコのある狩猟採集民が土地間を高速移動するときに薄っぺらいサンダルを履いて走っていて、その履き物がワラーチだ、と知った。原始的な走行スタイルを身に着けることで、人間が本来持っている最も自然な歩き方・走り方が身に付き、足のケガに悩まされることがなくなる、というのがサンダルランニングの効用とのこと。
私は、自作で自分に合うサンダルを作れるか自信がなかったので、通販で買ってみることにした。とりあえず自分の足のサイズに合っていれば履けるだろう、という感覚で。4000円ぐらいした。販売元は自作している方なので、材料費や手間を考えるとそれくらいが妥当だと思う。本体のソールの部分は、原価が2000円ほどで、耐久性が強い材質(ビブラムという)でできている。3年たった今でも、少ししかすり減ってない。
2017年の秋に初めてサンダルランニングをやってみた。走ってみて感じたことは、かかと着地するするせいで、頭にガンガン衝撃がやってくること。かかとの厚いランニングシューズに慣れている者としては、非常に走りにくい。そこで、着地の方法を変えてみようという試みが自然と出てくる。つまり、かかとで着地しないように、つま先から着地するか、かかと以外の足裏全体で着地するかのどっちかになる。さらに、かかとの場合は着地点がほぼ一点に決まるが、足裏はいろんな部分がある。どの部分を最初に着地させると最も衝撃がやわらぐのだろう、という試行錯誤が始まる。
かかと着地から非かかと着地へ移行すると、今まで使っていなかったふくらはぎの筋肉をものすごく使うようになる。サンダルランニングをはじめたころは、ふくらはぎの筋肉痛が2週間ぐらい続いて、これは異常なのでは?と感じたりしたが、そのうち治っていった。
そこから年月が経て、またいろんなアマチュアランナーのブログやSNSをみているうちに、はだしでランニングしている人たちがいることを知った。
そして、ゼロベースランニング(高岡尚司さん著。はだしでのフルマラソン記録保持者)という本に行き着いた。ランニングシューズは足の痛み・ケガのもととなることや、ランニングシューズが出回っているのはスポーツメーカーの利権がからんでいることなどを背景として説明しながら、人間の骨格構造からみた最適な着地・離地の方法、その着地・離地を実現するための最適な上半身の動かし方を力説していた。
原始的な狩猟採集民は、はだしで草原を移動する。狩猟採集の形態は、人類の歴史の99パーセントを占めている。だから、狩猟採集民の歩行・走行方法が、最適なのだ。と、自分なりに考えるようになった。
はだしになってみたときの感想を。うすっぺらいサンダルを履くと、シューズを履いたときと比べて地面の状態がよくわかる。しかし、はだしとサンダルを比べたときの地面の感じ方は、その比ではない。当たり前だが、サンダルに比べてはだしのほうが、地面の状態が圧倒的にダイレクトに伝わる。
初めてはだしで歩いていみたのは、2019年の春のこと。普段歩くときは、アスファルトの路面は一種類しかないと思っていたが、アスファルトの路面にも様々な種類があるとわかる。舗装したてのフラットな路面、でこぼこが浮き出ているがそれほど支障のない路面、支障を感じるほどでこぼこのキツイ路面、こまかいでこぼこが密になっている路面、大きな突起が浮き出ていてとてもじゃないが歩けない路面、などなど。サンダルのときには感じられなかった微妙な差が手に取るようにわかる。
初めてはだしで走ってみたのは、2019年の夏。アスファルトの路面だった。路面状態を事前に把握してなく、走りはじめてからでこぼこがキツイほうだなと分かった。4キロぐらいの時点で、内出血していることに気づいた。もう少し歩行での準備期間を長めにとったりとか、初めて走る道路はなるべくフラットな路面を選ぶとか、を考えるべきだったと感じた。
初めてのトレイル(低山)のはだし歩行も、2019年の夏。基本的に走ることは無理。アスファルトよりもやわらかい土があるのは確かなのだが、それ以上に石が露出した部分が多く、走れない。この地域特有なのかもしれないが。
そんなこんなで、月2回程度の4キロ程度のはだしランニングと、たまに里山に行ってはだし歩行することと、たまにアスファルトではない路面(わたしの近所の河川敷では適度に足に優しい非アスファルトがある)の歩行・走行することを実施するようになった。
いまの自分の足をみると、当初と比べてなんとなく変化しているような気がする。足の写真を撮っていないことがくやまれるが。例えば、アーチ(土踏まず)がしっかりしてきた。地面をつかむ筋肉(握力)がしっかりしてきた。指の間隔が広がってきた。など。
冒頭に書いたとおり、うすっぺらいサンダルでの42キロ走破は達成した。次の目標はサンダルでトレイル40キロ以上走破としよう。
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