タイピングソフトe-typingを2年間使ってみて

2020年7月10日金曜日

聴覚情報保障

t f B! P L
訳あって要約筆記者(文字による通訳者。主に難聴者を支援する)の活動をするようになってから2年が経った。

居住地域の要約筆記者養成講座で「e-typing」というタイピングソフトを教わって以来、2年間ほどのe-typingの記録がたまったので、成績の経過を公開する。2年間使って自分のタイピングスピードの変化をひとことで言うと「ほとんど変わっていない」です。

まず、私のバックグラウンドから。大学一年の情報処理の授業で初めてキーボードをさわり、それ以来ずっとパソコンに類する機械を触り続けている。大学には常にコンピューターを触れる部屋があった。当時のOSはUnixが主流だったが、後に個人でもパソコンを買い、WindowsやMacにも触るようになった。大学院は情報科学系なので、自席の目の前に常にキーボードがあった。社会人になってからも、パソコンを使う職場が当たり前だった。

そんな私が20代後半にふと気づいたこと。視線がちらちらとキーボードに移動していた。タッチタイピングができてなかったのだ。ホームポジションに決まった指をおく、という点は身についていたが、視線が画面に固定されてないことに気づいた。そこで、画面に近いところにキーボードの絵を貼り、視線を絶対に下に向けないよう、矯正した。それ以来、特殊な状況以外では、タッチタイピングはできているようだ。

そんなバックグラウンドの私は、タイピングスピードに関心を持つことが20年以上なかった。なので平均的な人々に比べて自分がどの程度早いのかほとんど分かっていなかった。

私の地域の要約筆記者養成講座では、初回に受講者ふるい落としのためにタイピングテストが行われた。記憶の範囲では、2種類の試験があり、1個目は

とらのいをかるきつね
とらのいをかるきつね


というふうに10文字のきまった字+改行を繰り返し、1分間に何文字入力できるか測るものだった。たしか、100文字~150文字の間だったと思う。上記の文は1文字あたり2打鍵なので、200打鍵~300打鍵/分の速さになる。2個目はA4一枚程度のワープロ検定試験問題を10分間でどれだけ打てるか測るものだった。4分の3ぐらい埋められた記憶がある。一行40文字、行数は30~40行だとすると、10分間に900~1200文字ぐらい打てていることになる。漢字混じりであることから、1文字あたり2.5打鍵とすると、225打鍵~300打鍵/分の速さになる。

さて、e-typingの私の2年間の記録を。まずはローマ字入力から。

e-typingローマ字入力の成績経過
e-typingローマ字入力の成績経過


練習回数が182回なので、年間90回(およそ週に2回)記録したことになる。記録に残すかどうかは自分で決められるので、実際の練習回数は2倍程度か。最初の1年(100回目まで)は、とりあえず試したら記録にのこしておく感じ。2年目からは、正確性を意識し、正解率が98%を下回ったら記録をつけないようにした。全国平均は「毎分241打鍵」。自分もどうやらこの平均あたりにいるようだ。最高レベルは「Good!」で1回しか出てないと記憶している。まぐれ当たりと思われる。「Good!」のひとつ下の「S」はたまに出るので、調子のよいときは「S」、普段は「A-」「A」「A+」、調子の悪いときは「B+」以下、という感じ。

次に、英語入力。

e-typing英語入力の成績経過
e-typing英語入力の成績経過


こちらも、2年目以降は正確性を意識し、正解率が98%を下回ったら記録をつけないようにした。同様に、「Good!」が出たことは1回だけ、と記憶している。最初の1年は、ローマ字入力に比べて正解率がが高く、2年間総じてスコアがほぼ一定なのが見て取れる。ローマ字入力のほうは、総じてやや右肩上がりにみえる。英語入力のほうが得意なのだろう。実際、ローマ字入力だと、ひらがなの日本語文のすぐ下にみえるローマ字にちらちら目がいってしまい、その分入力効率が落ちているように思う。体感では、ひらがな文だけみるぞ、と決めて取り組んだほうが良いスコアがでる傾向がある。

その他、要約筆記者養成講座で初めて知ったこと。
  • 全角モードで半角スペースを入力する方法は「Shift+スペース」
  • F7, F8, F9, F10キーの機能(それぞれ、カタカナ化、半角カナ化、全角英字化、半角英字化)
  • 句読点を含めて変換すると良い。例えば、「たとえば、」と読点まで打ってからスペースキーを押す。
1点目の半角スペース入力方法を知らなかったとは我ながら恥ずかしい。これを知ったおかげで普段のタイピングが改善した。知るまでは、「半角モードにしてからスペース押して全角モードにもどる」で実施していたので、打鍵数が3分の1に減る。 

2点目も、知らなかったのが恥ずかしい。ウェブページのアドレスを打つとき、全角モードのままアルファベットを入力していることはありがち。全角になってしまってることに気づいたあとでも、F10一発で半角英字に変換される。知るまではいちいちバックスペースで戻って入力し直していたんだろう。。。

3点目。私はずっと、

「たとえば」  スペースキー  リターンキー  「、」  リターンキー

と打鍵していた。つまり句読点を1文字打つ毎に確定していた。句読点も含めて変換するほうが少しでも打鍵数を減らせる。

要約筆記者認定試験では、70文字/分程度を要求される。(これを超えられなければ落ちる、というわけではなく、あくまで目安。公式のホームページにも載っていない。試験を受ける前に、70文字/分程度を実現してほしい点を講師たちから口頭で言われただけ。)e-typingの成績のみる限りはクリアできているようだが、要約筆記はタイピング以外にも頭の使いどころは多々あるのでなかなか。。


まとめ
  • 自分のレベルは「一般事務の仕事で困ることのない」レベルだった。
  • 週2回程度、1回15分程度の練習量では、2年間でほとんどタイピングスピードに変化はなかった。

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