好きな作家・小説は?

2021年1月23日土曜日

雑記

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好きな作家や小説があると人生が豊かになる気がしていいですよね。人生に直接役に立つわけではないけれど、何かの拍子に昔読んだ小説の一場面を思い出して作者が言いたいことは何なのか考えることがあります。好きな作家の一人が村上春樹さん。

初めて読んだ村上春樹さんの作品は、「ノルウェイの森」です。ちなみに、ビートルズの曲の方は、「ノルウェーの森」だそうです。微妙に表記が違いますね。

それはさておき、20代の前半に存在を知り、知り合いが勧めていたので読んでみることにしました。ちょっと変わった恋愛小説、という感想だけでしたが、印象に残りました。いちばん変わっている、と思ったのは、男主人公が女主人公と東京で再会後にデートしているときの様子。男が女の数メートルあとをつけて延々と東京の街中を歩き倒し、ぐるっと一周してしまうところ。会話なんてできないでしょう。非常識な場面設定です。でも、なぜかそういうところが気に入ってしまい、そんなデートができたらなあ、と当時思っていました。(私もそれなりに変わった人なのです。)

時が経ち、30代の中ごろになったとき、再読したいと思い再読しました。前回の読後とは違い、死生観について語っている小説だ、というのが感想でした。この小説の中には死者が相当数出てきます。前回読んだときには気づきもしなかったことでした。死を語ることは私には未熟すぎてできないですが、おそらく文字に起こすのはかなりエネルギーが必要でしょう。そんな作者の頭の中の苦悩が見えてくるような、何ともいえぬ重々しい読後でした。

重々しく感じるのは良いことです。コメディーやスリラーのような楽しさは、その場限りになることが多いですが、重々しさはいろいろなことを深く考えるきっかけになります。(女主人公が持っているとされる)精神障害とはどういう障害なのか、など。そんなことを考えたところで人生に直接役に立つことはありませんが、少なくとも、作者の感性を共有してもらって人生が豊かになった気がする、という感触は得られます。

人生の偶然によって、結婚を機に阪神間に住むことになりました。村上春樹さんが育ったのは阪神間です。小学校から高校生まで、西宮市から芦屋市、神戸市あたりまでが行動地域だったそうです。村上さんが通っていた公立小学校・中学校や、神戸高校があるあたりの土地勘が得られたのは、何となくうれしいことです。自分一人でうれしいと思っているだけですけど。

阪神間に住むようになって、京都も行動範囲内になりました。ノルウェイの森には、市内からバスで行ける、北部の山の中の寮が登場します。どのあたりをモデルにしたのかな?と想像してみるのも楽しいです。私は勝手に出町柳バスターミナルを起点とした北西部を想像していますが、違うかもしれません。諸説あるのでしょうが、あえて調べずに、自分の足でたまに行ってみたいと思います。

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